マルチ・ポテンシャライトにとっての幸せな共創ってなんだろう。

本シリーズ最後のまとめとして、考えてみましょう。



改めて、共創を考える


幸せな共創とは、「できること」ではなく「やりたいこと」を持ち寄って、誰かとの間に生まれるイレギュラーを楽しむことではないかな、と思います。


私は、文章を書けます。ARを開発できます。切り絵を作れます。動画を作れます。アニメーションを作れます。Webサイトを実装できます。

いろんなできることがある中で、このプロジェクトにはどれを使って関わりたいだろう?
この問いを持って関わることがすごく大切だと感じます。

ただ、できるからこれやりますだと、便利屋になってしまいがち、ということは、以前にも話しましたね。
自分のやりたいことを素直にコミュニケーションしながら、一緒にプロジェクトを進めていくことが、楽しい共創には不可欠です。



イレギュラーを楽しむ


思いつきを重ねるプロセスを味わおう

以前友人と、小説→絵→小説…と交互に創作して一つの作品を作る、という遊びをしたことがありました。

実験的創作:小説と絵でキャッチボールしたら?|影織

実験的創作:小説と絵でキャッチボールしたら?|影織

私の書く小説とあなたの絵を、交互に繋げてひとつの物語を作っていったら面白いのでは? ある日友人と話している時に、ふと思いつきでそんな提案をしてみました。 友人が楽しそー!と乗ってくれたので、リレー形式の物語執筆企画が立ち上がりました。 ルール ・小説→絵→小説…と交互に創作していき、3往復で物語を仕上げる。私が小説担当、友人が絵担当。 ・小説担当が全ストーリーを作って絵担当がその挿絵を入れる形…ではなく、双方が相手から受け取った創作物を踏まえて、自分の解釈や想像を組み込んで続きを作っていく。 ・ストーリーの結末や方向性は事前に一切話し合わない。ただ相手が作ったものを受け取り


この時は、ただ分業でストーリーと挿絵を作る、という個人作業ではなく、相手の思いつきや無茶振りに、自分の思いつきを重ね塗りしていく即興のプロセスを楽しむことができたのです。めちゃくちゃ楽しかった。

多分、これが素敵な共創のあり方のひとつではないかなと思います。


ゴールを決め、マイルストーンを切り、計画を立て、メンバーにタスクを分担して着実にこなす...たしかにそれもひとつの共創です。

でも、ガチガチに決まったゴールに向けて進めていくのだと、そこにイレギュラーは生まれないでしょう。

結果のコントロールを手放した時、共創のプロセスそのものを楽しめるようになります。

素晴らしいゴールが欲しいと思うのは、そのゴールを手にすることで、満足感や幸福感を味わいたいからでしょう。
でも、どんなゴールに辿り着こうが、そこに至るまでのプロセスで、誰かとめちゃめちゃ楽しめたのなら、最終成果に関係なく、大満足で超ハッピーなんじゃない? どうだろう。


イレギュラーと計画のバランス

まぁ、正直ここはバランスが難しいのですよね。
イレギュラーって、プロジェクト管理の上では怖いので、排除したくなるものです。特に納期や締め切りがあるようなものだと尚更。

それに、誰かがある程度のディレクションを握ってゴールを決めないと、特にメンバーが複数人いた時には、何をどう進めたらいいのかわからずに瓦解してしまうこともあるので、思いつきを重ねるだけで進んでいくのは難しい瞬間もあります。


とはいえ、メンバーの誰もが、自由に自分の思いつきを重ねていけるような余地を残しておくことがすごく大事なのではないでしょうか。
一人では生まれないイレギュラーが生まれやすいように。

そのためにもやっぱり、素直で風通しの良いコミュニケーションをすることよね、という話に戻ってきます。
自分が言いたいことややりたいことを我慢せず、素直に出しましょう(自分が我慢してしまうと、相手もまた、同じように我慢しているように見えてしまうから)。
同時に、相手に興味を持って、対話しながら一緒に楽しさを探っていくことです。

難しいよね〜〜〜
私も今まさに、複数人プロジェクトの立ち上げに関わる中で、研究中です。


マルチ・ポテンシャライトの共創計画はまだまだ続く。



まとめ

マルチ・ポテンシャライトなあなたが、自分らしく誰かとの関わりを楽しめますように。