「思い残した感情を感じ切る」ということを体感したので、今日はそんなことについて書いてみます。


私の体験

来週から恋人がイタリアで数年暮らすことになります。
そのことがとにかく辛く、相手と今後の相談をしたり、頭で納得しようとあれこれ理屈をこねたりしていました。しかしざるで水をすくおうとしているような虚しさと、底なしのさびしさは消えませんでした。

そんな中でふと、自分は相手に「行かないで」とずっと言えなかったことに気づいたのです。「ついていきたい」「さみしい」までは言えても、「行かないで」だけは、言ったら即腹切りレベルの禁句でした。

なぜだろう?と考えた時、その言葉は、子供の頃、毎朝出勤する母親に言えなかった言葉だったと気づいたのです。その頃からずっと、行ってしまうという悲しみを我慢していたんですね。

恋人を前にして「ずっと言えなかった言葉だけど聞いてください」と切り出してから小一時間笑、ようやく勇気を振り絞って「行かないで」を口に出すことが出来ました。
めちゃくちゃ涙が出ましたが、その後ですごくすっきりしました。

更に頼んで、ずっと聞きたかった「行かないよ」という言葉を言ってもらいました。
それによって改めて、ちゃんと「イタリアいってらっしゃい」を素直に口に出せたのでした。


思い残した感情とは

思い残した感情というのは、大抵「悲しみ」「怒り」「恐怖」などのマイナスの感情です。ある事件に際して、負の感情が湧き上がったのに、その場で気持ちに蓋をして我慢してしまうと、それを「感じ切る」まで繰り返しその感情が溢れてしまう、と言われています。
ではその「感じ切る」は、どのようにすればよいのでしょうか。

思い残した感情を感じ切るステップ

1) 見つける
思い残した感情というのは

・忘れたいのに、ある情景を何回も繰り返し思い出して嫌な気分になってしまうこと
・環境や相手が違っても、似たようなパターンに陥ってしまうこと
・頭ではそんなに反応しなくていいことだと理解していても、心が過敏に反応してしまうようなこと
・自分では制御できないような強い負の感情に襲われること

などに隠れています。


2) 振り返る
目の前の出来事と似たような出来事が過去になかったかを探ります。
特に子供の頃に感じたことが引き金となっていることが多いです。

大人になれば、知識や経験に基づいて処理できる感情も、子供の時には受け止めきれずに、うまく感情を処理しきれないことがあるからです。


3) 探る
その時、自分は何を言いたくて言えなかったのか、どうしたくてできなかったのか、どうしてほしくてしてもらえなかったのか、を考えます。
ステップ2とあわせて、このあたりは専門家を頼っても良いかもしれません。
例えばこの方のセラピー、何度か受けたのですが大変おすすめです。


4)思い残しをアウトプットして、その時我慢した気分を味わう
あの時言えなかった言葉を人に伝えたり、あの時できなかったことを人にしたりします。

その言動は、どうしても抵抗があること、これだけは死んでもダメだと思うこと、強く自分に禁じていることだったりします。

勇気を出してその抵抗感を乗り越える時、過去封じ込めた怒りや悲しみ、恐怖が湧き上がってくるかもしれませんが、息を止めて抑え込まずに、わーっと泣いたり、吠えたり、クッションを叩いたりしましょう。

もし相手に直接向かえない状況なら、ノートに書いたり、ぬいぐるみや抱き枕などを相手に見立てて口に出すのもおすすめです。
とにかく、アウトプットしましょう。

ここが一番辛くて怖くて嫌な気分になるかもしれませんが、これを乗り越えるとすごく楽になります。

4.5)手伝ってもらう
もし目の前に相手がいる場合、「こう言ってほしい」「抱きしめてほしい」など、要望を伝えてしてもらいます。

恥ずかしかったり、抵抗があったり、苦しかったりするかもしれません。
しかし、ステップ4の段階で、涙ぐしょぐしょ状態やブチ切れ状態の自分を見られているならば、もはや毒を食らわば皿まで気分でお願いしてしまいましょう。

5) 落ち着く
一通りアウトプットすると、「あ、峠は越えたな」と自分で気づく瞬間があり、だんだん落ち着いていきます。

もちろん、これで、今後負の感情一切がゼロになるというわけではありません。しかし、なんとしてでもこの強い負の感情から逃れないといけないという必死さや、耐え難い焦燥感がだいぶ和らぐように思います。


まとめ

「思い残した感情を感じ切る」という体験、本当に勇気が必要で怖いことです。
けれど、そこを乗り切ることで、また一つ脱皮して、穏やかになれたように思うのです。