以前読んだこの本を再読していました。
(つい最近読んだ気がしたのに、もう10ヶ月近く前のことだと気づいてびっくり)


いわゆるインナーチャイルドとの向き合い方の本です。

一回目に読んだ時、べっしょべしょに泣き過ぎて、ブログ書くどころじゃなかったことを思い出しました笑
ということで落ち着いて再読し、紹介記事を書くことにしました。


本書の内容

繰り返しのメカニズム

本書では、まず子供時代の痛みを見直し、そしてその痛みのパターンを繰り返してしまうからくりについて見ていきます。


あの時の経験がどういうメカニズムで引き起こされたのか、

親や周囲の大人がどんな状態で、どんな原理で、何を考えてあんな行動を取っていたのか、
そして子供だった自分はそれにどうやって対応しようとしたのか

が客観的に説明されるので、読みながら「そうそう、わかってもらえてる!」と深く感じます。


ただ、具体的な例とともに書いてあるので、
人によっては読み進めるうちに自分の過去の経験が蘇ってきて、
古傷がじくじく痛んで、読むのが辛いかもしれません。

それは、かつて感じられずに冷凍保存されてきた感情なんですよね。

出てきた時には蓋をせず、ちゃんと痛かった、辛かったと涙を流したり、怒りを感じたりすることで、必ず癒されていきます。


決して楽なプロセスではないのですが、安全な場所で、ゆっくり時間をかけて向き合うことをおすすめします。
ハンカチのご用意をお忘れなく。



回復の4ステップ

それを踏まえて、

ステップ1 過去の喪失を探る
(どんなことで傷ついたのか振り返る)

ステップ2 過去と現在をつなげる
(過去傷ついた体験が、現在にどんな影響を及ぼしているか発見する)

ステップ3 取り込んだ信念に挑む
(過去傷ついた時、どんな信念を心に刻んだのかを見つけ、それをこれからも信じていたいかどうか選び直す)

ステップ4 新しいスキルを学ぶ
(これからはどんな選択をしたいかはっきりさせて、行動に移す)

という回復の4ステップを進むことで、これまでのパターンを外して生きる方法が解説されます。


そうして過去の痛みを乗り越えていく中で、
インナーアダルト(心の中の大人)を作る5つの力を身につけ、
過去を手放し、新しい関係を作っていくことについて説明されます。



実践&感想

上記の4ステップで、一番最初に向き合ってみたのが、
できないと言うのが怖い、自分の中で限界を設けることができず、頑張りすぎてしまう
という問題でした。


4ステップに従って書き出してみて、
いかに過去の経験(ステップ1)が
今に影響しているか気づき(ステップ2)、
愕然としたんですよね。

そして、
「できないのは自分の努力が足りないから」
「できないと言ってはいけない」
「できないと人を苛立たせる、失望させる、そして私は見捨てられる」
などという信念をしっかり握りしめていると気づき(ステップ3)、

その信念を変えて、仕事や勉強をする時に
自分を追い込みすぎるのをやめていこう
と決めることができたのです(ステップ4)。


この4ステップがかなり効果的で、
自分を生きにくくしている思い込みや行動パターンと向き合うプロセスがだいぶ進んだので、
すごくよかったです。


この気づきを受けた後、爆誕した記事たち(超読んでほしい) >>>

本を読むことはコントロールできる。理解するかどうかはコントロールできない。 
本書を読んだ直後に書いた衝撃作。この一文に疑問を持つ人はぜひ読んでほしい。

できない自分を認めるのがなぜ怖かったのか(前編) 
何回でも勧めちゃう、個人的殿堂入り記事。衝撃の三部作。





最後に、
「確かに小さい頃悲しい思いをして、
それを今もちょっと引きずっているけれど、
自分なんかよりもっともっと辛い境遇の人はいっぱいいるだろうし...」
と思ってしまう人へ。

まさに私も同じことを思ってました。
そんなあなたに、本の中の次の一文を引用して締めたいと思います。

確かにいつだって、もっとつらい思いをした人や、自分よりさらに苦しんで生きている人はいるでしょう。でも、誰かの不幸があなたの喪失を帳消しにしてくれるわけではないのです。あなたの痛みは、あなた自身のものなのですから。「これだけの量の苦しみを経験しなければ、癒しの許可証が得られない」なんていうことはありません。
 
あなたが痛みを感じているなら、あなたは癒されるに値します。癒されるためには、自分の喪失にきちんと目を向けることが必要です。


まとめ

インナーチャイルドに関する本は、
結構色々読んできたのですが、
個人的にはこの一冊が一番気づきが多く、
心にたくさん刺さりました。

単にインナーチャイルドとは何かを解説するだけでなく、
具体的な回復のプロセスも丁寧に書いてあるところが、
とても大事なポイントだと思います。

子供時代に子供でいられなかった人、
幼少期に身につけた自己否定や罪悪感、あるいは無価値感のパターンにより、大人になっても繰り返し苦しんでいる人にぜひおすすめの一冊です。