これを実現したら、より素晴らしい自分になれるだろう。
あれを手に入れたら、より素敵な自分になれるだろう。
そうしてもっと自分に自信が持てるだろう。
...というのは、案外嘘かもしれない。

何かを実現した自分、手に入れた自分。
その瞬間は感動に満たされるかもしれないけれど、理想だったものは現実に変わっていく。
現実はそんなにキラキラピカピカが続く眩しいものではない。
そうするとまた、次のキラキラピカピカを求めて彷徨うことになる。

いつになったら満たされるんだろう?
多分、そんなふうに彷徨う間は、満たされることなんてないのだろう。

「満たされる」というのは、
思っているよりずっとキラキラピカピカしていなくて、
もっと地味で、日常の中にあるもので、
「こんなことにかまけている場合ではない」と言われがちな瞬間なのではないか。
ご飯がおいしいとか、大好きな人と笑って過ごしているとか。

何かを達成するということと、満たされること。
実はまったく別のことなのかもしれない。