風呂のたとえ話



銭湯に行った。

湯船にのんびり浸かっていたら、先に浸かっていた人が、

「熱い!!」
「こんなところ、もういたくない!」

と、怒り出した。



「そんなに不快なら、風呂を上がって涼んでは?」と提案すると、その人は、

「肩まで使って100数えないと上がっちゃいけないと決まっている」
「このまま上がると、湯冷めして風邪を引くから」

と、いろいろな理由を並べて、湯船の中に居続けようとする。



「それじゃあ黙って浸かっていればいいのに...」と言うと、

「こんな熱い湯の中で、私はいつまでも我慢し続けないといけないのか?」
「私には、文句を言う権利すらないのか?」

とさらに怒りをぶちまけた。



私は黙って湯船を出た。
「こんなところ、もういたくない」と思ったので。