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Festival der Zukunft & Museum Fünf Kontinenteの100周年記念イベントでVRを展示してきた

以前作った金継ぎVRを、二つのイベントで展示してきました。

※金継ぎVR?
モノクロの部屋の中で、壊れてしまった心の欠片を集め、金継ぎの技術を使って直していくミニゲームです。Scars make you whole(傷が、あなたを完全なものにする)というメッセージを込めて作りました。

この動画では、コントローラーを使った体験になっていますが、今回の展示に合わせて、ハンドトラッキングのみで全編楽しめるようにアップデートをかけました。

Festival der Zukunft (2026/7/2-4)

Festival der Zukunft(未来の祭典)は、名前の通りテクノロジーやサイエンスのフェスティバルです。最新技術をテーマに、カンファレンスや展示などがもろもろ目白押しのイベントでした。

このフェスティバルのMunich BeyondというXR展示のプログラムの中で、以前開発した金継ぎVRを展示してきました。

Festival der Zukunft 切り絵の展示
切り絵も展示したよ!!!

Festival der Zukunft 切り絵の展示

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験

Festival der Zukunft 金継ぎVR体験


余談: 展示の様子

3日間の展示の間、ひっきりなしに人が訪れたのですが、合間を塗って他のVR体験を鑑賞してきました。

去年、このFestival der Zukunftにボランティアとして参加して、さまざまな作品を鑑賞したのですが、今年もたくさん見ることができて本当によかったです。
いつかこのイベントで作品を展示できたらな〜と願っていたのが、まさかの一年越しで叶って幸せです。
未来の祭典!Festival der Zukunftに行ってみた! | 影織文庫

未来の祭典!Festival der Zukunftに行ってみた! | 影織文庫


鑑賞した作品の感想メモ。

A Long Goodbye

めちゃくちゃ良かった!!!!!!!!!!!
認知症になってしまった72歳のピアニストの女性の記憶を表現した作品です。泣いた。
水彩画のような優しい世界のVR空間の中で、彼女の記憶が少しずつこぼれ落ちていくのを追体験するのですが、この表現が本当にすごかったです。ティーザー動画もぜひ見て欲しい。
空間の表現やストーリーテリングとしてもすごく勉強になりましたし、何より泣けました。
一緒に展示をしていたチームメンバーにも勧めたのですが、大号泣していました。こういうのを作りたい。ほんとに。

Kate Voet & Victor Maes | Artists | 1E9.community

Kate Voet & Victor Maes | Artists | 1E9.community

Kate Voet is a Belgian film director and screenwriter from Brussels, having studied English literature and linguistics, theater studies and film directing at the University of Amsterdam, LUCA School of Arts in Brussels and The New School in New York City. With her film projects in development, she participated in several workshops and markets such as Torino Film Lab, t... in exploring new technology, like VR and games, as well as revisiting analogue film. Originally he graduated as a director with a short animation film, which led to ‘A Long Goodbye’, the animated, interactive VR experience about Ida, an elderly pianist living with dementia, which he co-wrote and co-directed with Kate Voet. ‘A Long Goodbye’ premiered at the 82nd Venice Film Festival where it was awarded with a lion for the Venice Immersive Achievement Prize. So far the project has continued to travel to Film Fest Gent, Thessaloniki Film Festival, IDFA, Clermont Ferrand, FIPADOC and SXSW among other festivals, winning several more awards. victormaes.com 〷◠‿◠〷 The participation of the artists is made possible with the kind support of the Kingdom of the Netherlands.


Show Me The Light: The VR Silent Disco

これもめちゃくちゃよかった!!!!!!!!
マルチプレイヤーのVRディスコです。VR空間の中で、カッコいい音に浸りながら、思いっきり踊りまくりました。最高。ブチ上がった。
複数人で同じ空間の中に入る、というVR体験は初めてだったので、とても刺激的でした。
ただ、外側から見ると、ヘッドセットを被って謎の動きをしている集団なので、儀式か何かに見えて大変シュールですけども。

Studio Vrij | Artists | 1E9.community

Studio Vrij | Artists | 1E9.community

Studio Vrij is an immersive content studio based in Amsterdam, specializing in multiplayer VR experiences and AI-powered applications. We believe technology should bring people together, not isolate them. Featured at venues like ADE, Nxt Museum, Paradiso, OBA, and Ars Electronica; our work ranges from artistic installations to meaningful software like apps helping elderly people stay independent, intelligent library assistants, or voice tools for healthcare professionals. By combining technical innovation with artistic storytelling, we create experiences that are engaging, inclusive, and meaningful.


Less Than 5gr of Saffron

衝撃の作品。
主人公はイラン人の移民の女性。難民としてボートで国外脱出する際に家族が溺死した、という彼女の記憶のフラッシュバックを、VRで追体験します。
10分に満たない作品なのですが、赤と黒に塗られた世界の中で、非常に強いインパクトが残る作品でした。

Négar Motevalymeidanshah | Artists | 1E9.community

Négar Motevalymeidanshah | Artists | 1E9.community

Negar (b. 1986) is an Iranian filmmaker, animator and conceptual artist. Trained in graphic arts at Azad University, Tehran, and the Erasmus Mundus Re:Anima master, she moved to Belgium in 2021. Her work probes social and cultural complexities. She now freelances across film, games and commercials and is creating her first VR animation with Quill.


Eddie and I

とってもハートフル!
耳の聞こえない少年Ronが、学校行事でキャンプに行くのを怖がっています。そんな彼に、お母さんが、「キャンパーのEddie」という自然の中にいる空想の生き物のお話をします。そのまま眠りに落ちた彼は、夢の中でEddieに出会い、冒険します。プレイヤーはEddieに扮し、Ronとの会話を通じて、簡単な手話を学びながらコミュニケーションを取っていきます。
VRのハンドトラッキングを使いつつ、自然と手話が学べる仕掛けがすごく面白いな、と思いました。こういうXRのストーリーテリングいいな〜〜〜〜作りたい〜〜〜〜っ!!!
去年見たThe Imaginary Friendという作品でもそうだったのですが、イマジナリーフレンドの話に私は弱い。泣いてしまう。笑
あぁー...いつか、イマジナリーフレンドをVR作品にするか...したいな。しよう。

Maya Shekel | Artists | 1E9.community

Maya Shekel | Artists | 1E9.community

Maya Shekel is an XR creator and founder of Moosh Studio in Tel Aviv. She teaches at Reichman and Tel Aviv University, focusing on impact-driven storytelling in interactive media. Her VR project, Eddie and I, fosters empathy through sign language and has been recognized at Tribeca (CM), Venice (PB), and NewImages (Development Market Prize).


The Dollhouse

これも衝撃の作品。
紙でできたかわいい人形劇なのですが、テーマは「家庭内暴力」。
主人公の女の子の家に、マギーという家政婦が働きにやって来るのですが、両親は彼女を粗雑に扱います。それを見て、主人公の女の子も真似をして、だんだんマギーを下に見るような態度を取るようになるのですが、そこに罪悪感を感じるようになっていきます。最後に、主人公は(プレイヤーは)、マギーとの関わり方について、選択を迫られます。
キャラがすごくかわいいのですが、テーマがすごく重かったです。正面から取り扱うと重すぎるテーマを、こういう形でエンターテイメントとして昇華させて表現する、というのは一つの良い方法だな、と感じました。

Charlotte Bruneau & Dominic Desjardins | Artists | 1E9.community

Charlotte Bruneau & Dominic Desjardins | Artists | 1E9.community

Charlotte Bruneau is a Luxembourgish-French director and journalist. Her work explores how individuals and communities live through political and social change. Her first virtual reality experience, The Assembly VR, is a multiplayer immersive journey into the power of the human voice. It was shown at several festivals in Europe and Beyond the Frame in Japan. After working as a journalist in the Middle East for several years, she currently works as a feature journalist at Luxembourg’s public radio. Dominic Desjardins has created innovative projects in television, cinema and XR in Canada. After working as an actor and stage director, he went on to write and direct two feature films and multiple television programs. At Zazie Films, he co-created and directed two seasons of the television series Paris-Paris with his long-time partner Rayne Zukerman. Dominic is passionate about merging powerful storytelling with technological tools, making computers dream, and audiences feel they are part of the story.


SONA – Diving in the Dark

VRと言っても、ヘッドセットの代わりにサングラスとヘッドホンをつけます。つまり何にも見えない(!)。
水没した都市を巡ってミッションをクリアしていくストーリーなのですが、ヘッドホンだけを頼りに、音が聞こえてくる方に向かって頭を動かすことで、そちらの方向に向かって移動ができて、物語が進んでいきます。ものすごい斬新なシステムでは?
視覚障害者の方から着想を得て、一緒に制作しているそうです。


Sonaのブース(右奥)。
蚊帳みたいな空間になっていた。

100-jähriges Jubiläum im Museum Fünf Kontinente (2026/7/12)

Museum Fünf Kontinente(五大陸博物館)が、現在の場所に移動してちょうど100周年。ということで、お祝いイベントがありました。
ここで、五大陸博物館所蔵品をバーチャル空間で体験できるVRと一緒に、金継ぎVRを展示させてもらいました。

今回は、すごく大きなスペースをもらえたので、コントローラーやテレポート機能を使わずとも、実際に空間内全体を歩き回れる体験になったので、とてもよかったです。
Museum Fünf Kontinente
入り口。

Museum Fünf Kontinenteの展示
早朝 からセットアップ完了!

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの体験

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの体験

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでのストリーミング
プレイ動画をストリーミングしていました。

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでのストリーミング
パパが遊ぶのを鑑賞中

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子

金継ぎVRのMuseum Fünf Kontinenteでの展示・体験の様子
珍しく日本人の方に遭遇。
三味線をされている方で、3ヶ月ほどこちらに滞在予定とのこと


感想

楽しかった

楽しかった!!!!!!!
...いや、小学生みたいな感想になってしまった。
入れ替わり立ち替わり人が来て、中にはVRをほとんど体験したことがない、という人もいて、サポートが大変ではあったものの、実際展示させてもらえるのは、本当に素敵な体験でした。
色んな人がすごく楽しそうに遊んでくれるのを、特等席で見られて本当に幸せです。

フィードバックをもらって、改良するサイクルを楽しめた

テストプレイ中。

これまで、個人開発をしていた時って、アプリを作って展示会に持っていくのがゴール、というスタイルで動いていました。展示が終わったら、そのまま完成としてプロジェクトを完了させることが多かったのですね。

しかし、今回は金継ぎの初版バージョンを完成させた後、遊んでくれた人からのフィードバックをもとに、Festival der Zukunftに向けて改良を重ね、またさらにそこで得たフィードバックをもとに、一週間で追加の改良を加えてMuseum Fünf Kontinenteに持っていく、というサイクルを重ねました。

一人で作業していると、フィードバックの分析も、改良も、保守管理も全部一人でやらないといけなくて心が折れてしまうことが多く、なかなかこうした改良サイクルを回すことができていなかったのですが、今回チーム開発ということで、このサイクルを楽しく回せたのがすごくよかったです。

そして何より、このサイクルを回すことで、次にどう進めたらいいかわからない人が減って、明らかにプレイ体験がよくなっているのがわかりました。
例えば、金継ぎで、どの道具を使って何をしたらいいかわからなくならないように、手順書をわかりやすく隣に置いたり、ヒントを聞けるブレスレットを作ったり、使う道具をハイライトしてパーティクルを追加したり。
過去に一度遊んでくれた人から、「前よりわかりやすくなってる!」というコメントをもらえました。

納期ギリギリ進行で、チーム全体でかなりタイトなスケジュールになってしまったのが申し訳なかったのですが、なんとか完了させられてよかったです。


まとめ

7月上旬が、この金継ぎ展示2連発でかなりばたばただったのですが、ようやくひと段落です。
また昨日の展示でもいくつかフィードバックをいただけたので、さらに次のステージに向けて改良できたらいいな。